平成16年度から、文部科学省より「総合型地域スポーツクラブ育成推進事業」が日本体育協会に委嘱されました。子どもから高齢者まで誰もがいつでも参加できる総合型地域スポーツクラブを育成することにより、地域住民による自主的・自発的なスポーツクラブの組織化及び定着化を推進するとともに、生涯スポーツ社会の実現を図るために行われる事業です。
●総合型地域スポーツクラブとは
総合型地域スポーツクラブとは、多世代(ジュニアと成人、ジュニアと中・高年齢者、青年と中・高年齢者など)、多志向、多種目(2種目以上のスポーツ活動)で地域住民によって自主的に運営・活動しているクラブのことをいいます。
日本体育協会・茨城県体育協会では、老若男女を問わず、いつでも・どこでも・だれでも・いつまでも、スポーツに親しむことができるような環境を整えるために、地域に根づいた総合型地域スポーツクラブの育成と定着を支援しています。
●総合型地域スポーツクラブのねらい
総合型クラブのねらいは、生涯にわたってスポーツを楽しむことができる「場」を地域につくり、定着させることにあり、そのクラブを通じて生涯スポーツ社会の創出に貢献することにあります。しかし、これまでの既存の団体や組織の活動状況を見てみると、現在スポーツを行っている人だけを対象とした活動にとどまってしまいがちで、どちらかといえば組織や団体間の横のつながりと年代間の縦のつながりに欠けているといった構造的な問題を抱えています。また、スポーツを取り巻く社会状況が大きく変化する中で、旧来型の仕組みでは十分に対応することができない状況が生まれてきています。
こうした状況を改善し、誰もが生涯にわたってスポーツを楽しむことができる社会をつくるためには、時代の変化に対応した新たなスポーツ振興の考え方や仕組みづくりが求められています。
●総合型地域スポーツクラブの意義
総合型クラブでは、特定の種目だけでなくいくつかの種目で、レベルや興味に応じてプログラムが選べるように構成されています。また、住民の主体的な運営により、すべての世代の人々が近隣の学校や公共施設を活用しながら、生涯を通してスポーツに親しめる環境づくりを目指して活動している非営利組織です。
こうしたクラブが身近にあれば、それぞれの興味・関心に合わせてスポーツを楽しむことができるだけでなく、地域住民の交流の場として、家族のふれあいや青少年の健全育成、更には活力のある地域社会の実現にも大きな役割を果たすことが期待されています。
また、継続的に体を動かす習慣をつけることによって、子どもの体力向上から高齢者の健康維持増進まで、現代社会が抱える課題の解決の一助となることも期待されています。
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